中国茶
お茶の分類として日本では発酵程度をもとにした不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)があります。

しかし中国ではさらに細かく分類されており、「緑茶」「黄茶」「黒茶」「白茶」「青茶」「紅茶」を六大分類とし、その種類によっても様々な効能があるのです。

ここでは効能ごとに中国茶を紹介していきます。

1 生活習慣病

1-1 高コレステロール血症

コレステロールというとすべて悪いものというイメージがありますが、本来人間の体に必要不可欠な脂質の一種です。
コレステロールには善玉コレステロールのHDLと悪玉コレステロールのLDLがあり、血液中のLDLコレステロールの値が140mg/dlを超えると高コレステロール血症と言われます。
この状態になると動脈硬化症を引き起こす要因になるので注意が必要です。

十大銘茶の「洞庭碧螺春」は血行が良くなるお茶として知られています。
螺旋状に巻いた茶葉が美しく、香りは中国語で人を殺すほどの良い香りという意味で「嚇殺人香」と言われています。
その他にも肥満症やガン、認知症、虫歯などに効くとされています。

日本人に人気の高い「武夷岩茶」のなかでも最高峰と言われる「大紅袍」。理想的な発酵度合「三紅七緑」に仕上げられており、身体を温めるお茶として飲まれています。
ポリフェノールや鉄分、ミネラルも豊富に含まれており、血液中のコレステロールを低下させる効果があります。
ただし茶王の異名を持つ大紅袍は樹齢350年の4本の茶樹から採取され、年間で約1kgしか生産されないという幻のお茶です。
一般市場にも出回らないため、飲むことができれば非常に幸運と言えるでしょう。

1-2 高血圧症

中国茶のなかでもいちばんポピュラーな人気を誇るのが「西湖龍井」です。
茶葉を釜に直接押し付けるようにして作る平らな形の茶葉が特徴の緑茶です。

中国の人々の間では昔から血圧を安定させる働きがあると言われ、広く飲まれています。
近年の研究で、アミノ酸、アセンヤクノキ酸、ビタミンCなどの有効成分が他の茶葉よりも多く含まれることがわかっています。
高血圧症の他にも高コレステロール血症、動脈硬化症、肥満症、下痢、発熱、疲労など様々な効用があり、まさに人気、実力ともに兼ね備えた中国茶と言えるでしょう。

また、日本で中国茶と言えばまず思い浮かぶのが烏龍茶でしょう。
その中でも「凍頂烏龍茶」はウーロン茶ポリフェノールを多く含み、様々な生活習慣病に効果的です。特に高血圧症に効果が見られています。

膵臓から出されるリパーゼの働きを抑制し、脂肪の吸収を防ぐので体脂肪を減らすのにも有効です。
さらにアレルギー症状を抑える効果も認められており、ダイエット、中性脂肪やコレステロールのコントロールにも最適です。

「羅布麻茶」は中国では燕龍茶と呼ばれ、「羅布麻の生える場所は長寿の里」と言われるほど健康維持に役立つお茶として有名です。

血圧のコントロールというと高血圧ばかりなイメージですが、低血圧にも注意が必要です。
羅布麻茶は血圧が高い人にも低い人にも正常な値に導く働きがあることがわかっています。
また、整腸効果や自律神経を安定させる効果、ストレス性の不眠にも効果があります。
しかもノンカフェインなので、子どもやお年寄りにも安心で、就寝前に飲むことができるのも特徴です。

1-3 動脈硬化症

「東方美人」は台湾を代表とする青茶で、ウーロン茶ポリフェノールが多く含まれています。食物の脂肪吸収を抑制し、脂肪を体外に排出する働きがあります。
また、ビタミンEが活性酸素を抑制するので、動脈硬化症に非常に効果があります。

他では「信陽毛尖」はしっかりとした味と香りが人気で、カテキンやビタミンCが豊富です。
高血圧症や認知症、消化不良、眼精疲労に効果があります。

1-4 高血糖・糖尿病

黒茶の代表である「プーアル茶」は血圧調整、動脈硬化予防の他に血糖値の上昇を抑える効果があります。
また、最近明らかになったのは脂肪を分解する働きがある重合カテキンの成分です。
日本でも「体脂肪を減らす」効果を謳った特定保健用食品が出ていますが、プーアル茶はこの成分を多く含んでいます。
ちなみに「プーアル」の名前は雲南省で作られたもののみに与えられます。

「六堡茶」は人工的に菌を付けることはせずに生茶のまま時間をかけて発酵させるため、味わいが大変まろやかで独特の香りがあります。
余分なコレステロールを排出する働きの他、血圧の安定、血糖値の上昇抑制、糖尿病予防などに効果があるという健康茶です。
地元では万病に効く、免疫力を高める、身体を温めるとして重宝されています。

1-5 肥満症

「安渓鉄観音」はビタミン、フラボノ、カテキンなどが大変豊富で、動脈硬化の予防や脂肪分解などに効果がある健康茶です。

大陸の青茶を代表する安渓鉄観音は、鉄観音の最高級の品種で、フルーティな香りとどっしりとした味わい、豊富に含まれるウーロン茶ポリフェノールなどで非常に人気です。

2 消化器系

2-1 胃炎

日本人に特に多いとされているのがストレス性の胃炎です。
こういったストレス性の胃炎には「黄山毛峰」に含まれるアミノ酸の一種であるテアニンが効果的です。
テアニンを摂ると脳のリラックス状態を表すα波が出ることが確認されています。また、カテキンは胃の調子を整えるのにも効果的です。

2-2 消化不良

「鉄羅漢」は武夷四大岩茶の一つで、難病までを治すことからこの名前がつきました。

青茶である鉄羅漢に含まれる渋味成分のタンニンには、胃腸の調子を整える効果があります。
また、カフェインは胃液の分泌を促進させますので、その両方をバランスよく含む鉄羅漢は昔から人気のあるお茶です。

桂花とは中国語でキンモクセイのことです。「桂花茶」は消化を助ける働きがあるとされており、暴飲暴食や油の多い料理を食べて胃が重いと感じるときには、花の香りと有効成分の効き目で胃がすっきりします。

またキンモクセイの香りには、アロマテラピー効果があります。
気分をリフレッシュすることもできるのです。

2-3 便秘

便秘状態が続くと腸内環境が悪化して悪玉菌が増殖します。
食物繊維の摂取や水分補給で改善はされますが、青茶の「水金亀」を飲むとさらに効果的です。

近年大人気の「武夷岩茶」ですが、これは福建省にある標高1155mの武夷山で摂取される青茶の総称です。
武夷四大岩茶のひとつである水金亀は特に岩韻と呼ばれる岩茶特有の残り香が素晴らしいと知られています。

また、青茶の有効成分であるウーロン茶ポリフェノールが新陳代謝を助け、胃腸の働きを活発にして便秘症を改善していくことができるのです。

他にも、肥満症やガン、高血圧症などにも効果があるとされています。

まとめ

お茶は特効薬のように急激に効果があらわれるというものではありませんが、特効薬のように効き目が強すぎたり、副作用があったりして飲む人を選ぶということをしません。

誰にでも飲むことができて、しかも日常的に長く飲み続けることで病気を予防したり、健康を維持していくということができるのが中国茶なのです。